プロ野球選手としての実績をご紹介していただけますか。
プロ野球選手としての実績をご紹介していただけますか。
私は、幼少の頃からプロ野球選手になることを夢見ていましたが、石川県の星稜高校時代4度の甲子園出場を経験し、1984年に南海ホークス(現ソフトバンクホークス)からドラフト2位指名をいただくことができ、念願のプロ野球選手になりました。
プロの選手としては体が小柄だった私は、足の速さと守備範囲の広さを持ち味にしながら二塁手を中心に内野も外野も守れるユーティリティープレーヤーとして、現役16年間に渡り通算1242試合に出場、通算打率は2割5分8厘、ホームランも42本ですが打っています。1990年からは、3年連続して全試合に出場しました。
健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
現役時代を振り返ると、入団当時は74㎏あった体重がひと夏の練習にて64㎏まで落ち、体力的な厳しさを味わいました。この世界は技術だけではやっていけないと痛感し、食事や栄養についても考えるようになりました。20代には毎日の試合と練習、そして全国にまたがる遠征が続いても、体力的にも落ち着いてきてついていくことはできていました。でも30歳を超えた頃から疲労の蓄積を常に自覚するようになり、健康なコンディションで試合に臨むための意識が少しずつ高まっていったことを記憶しています。
現役を引退後も、コーチや球団スタッフとしてホークスにお世話になっていましたが、2013年のシーズン終了後に退団しました。第二の人生で何にチャレンジしようかと思いを巡らせていた頃、まずは色々な勉強をして知識を身に付けなければいけないと感じ、資格の取得を目指そうと思いました。スポーツや健康の分野に興味があったので探していたところ、健康管理における幅広い知識が学べる健康管理士の情報が目に留まりました。厚生労働大臣指定講座という所も魅力的でした。東京の会場で合格対策講座と認定試験を受けたのですが、若い人から年配の人まで数百人もの方が真剣に勉強している姿を見て、今の時代、健康管理のニーズがとても高いことを実感しました。
健康管理士の資格を取得されて、どのように活用していますか? また、どのような手応えがありましたか?
健康管理士の資格を取得されて、どのように活用していますか? また、どのような手応えがありましたか?
今年の春から、大分にある「九州総合スポーツカレッジ」という専門学校に勤務しています。ここは、野球を始め様々なスポーツアスリートを養成するコースがあり、私は野球のコーチと教務の仕事をしています。
学生には、私が長年のプロ生活で得た経験や心構え、技術的な指導ももちろんするのですが、試合で結果を出したり活躍するために体づくりは必須であり、健康管理の重要性を常に話しています。その際には、健康管理士のテキストで学んだ栄養学の知識や体のしくみに関することをベースにして、トレーニング方法などと併せてポイントを伝えています。
また、ほすぴの情報も様々な角度から体のしくみや健康管理について学ぶことができるので、課題も必ず提出し活用させてもらっています。学生からは野球の技術指導を求められることが当然多いのですが、指導者として私が技術的なことだけでなく健康管理についても常に学んでいというスタンスを見せていることも、学生達には良い刺激を与えているようです。
今年から「文部科学省後援 健康管理能力検定2級3級」を導入していただくことになりましたが、その経緯について教えてください。
今年から「文部科学省後援 健康管理能力検定2級3級」を導入していただくことになりましたが、その経緯について教えてください。
プロのアスリートを目指す上でもトレーナーなどの指導者になるためにも、やはり健康管理や体のしくみを知るということは必須事項だと思っています。健康管理能力検定の学習は、体内時計をテーマにした生活のリズム、体内のリズムという視点から編集されているので、日々の体調管理にすぐに使える内容が多く、とても実用的な知識が得られます。当初は私と同じく1級(健康管理士)を学生達に取得してもらおうかとも考えましたが、まずは取り組みやすい2級3級を学んでもらって健康知識の土台をつくってほしいと考え、学校に推薦し了承を得ました。しっかり勉強して全員に合格してほしいと願っています。
健康管理士としての今後の方向性や展望をお聞かせください。
健康管理士としての今後の方向性や展望をお聞かせください。
私は高校卒業後すぐにプロ野球選手となり、何の資格もないまま引退し、苦労しました。学生達には若いうちに資格を得て、社会に役立つ人になってもらいたいと願っています。指導者として、また健康管理士としてもまだまだ経験が浅い私は、学ばなくてはいけない事項がたくさんあります。ハイレベル講座やセミナーなどにも参加してきましたが、これからも多方面にアンテナを張って積極的に知識を吸収していきたいと考えています。「元プロ野球選手」の肩書きは私にとっての大切な財産ですが、「健康管理士」としての認知度や信頼度も高めていく努力をして、心技体の充実した若手の育成を応援していきたいと思っています。