今回ご紹介するのは、検診で「がん」が見つかり手術を受けられたこと、そして不安な日々の中、健康管理士の学習で「知識」を得ていたことが心の支えになったご経験により、仕事を通して病気予防の大切さを伝えていらっしゃる大塚貴子さんです。
健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
私は、25年前に内科専門医院に医療事務として入職し、現在は医師事務作業補助と、他院との病診連携業務に携わっております。普段の仕事で患者さんを見ていると、医師の説明を理解できていないことや上手く質問することができない様子がわかります。また、患者さんから、「先生の説明が詳しすぎてわからなかった」と“解説”を求められることもあります。そのため、私自身が医師の話を理解できる知識を持たなければいけないと常に思っていました。院長が学会参加や資格取得などの勉強を奨励される環境でもあり、私に合う学びはないかと探し始めたところ、「健康管理士」と出会いました。
「健康管理士」の学習は、病気についての知識だけでなく、予防のための健康管理、栄養学、生活環境、メンタルヘルス等々、とても幅広いことを知ったとともに、自分がこうした健康や医療の話について「ちゃんと解っていないかも」とショックを受けました。と同時に、「これらの知識を得られたら、患者さんにもっと自信をもってお伝えできる!」とわくわくしました。学ぶ量も多いため、何度も挫けそうになりましたが、合格さえすればいいというより、自分の知識としてしっかり身につけることが最終目標だったので、1年以上かけてテキストを3巡読み返してから、ようやく試験を受け、合格することができました。
健康管理士の資格を取得された後、どのように活用されていますか?
健康管理士の資格を取得された後、どのように活用されていますか?
「健康管理士」の資格を取得後、まず自分自身が健康管理をすべきだと思い、あゆる検査を受けることにしました。すると、市町村の乳がん検診・マンモグラフィー検査において「要精密検査」の結果通知が届いたのです。借りてきたフィルムを院長に見てもらった時、これは悪性かなという覚悟はしました。そして、職場から通院しやすい総合病院で6~7種類にも及ぶ精密検査を受けた結果、「右C領域ホルモン感受性HER2陰性浸潤性乳管癌・ステージⅠ」との診断。おまけに、CT検査にて甲状腺にも腫瘍が見つかり、「Ⅰ期の甲状腺乳頭癌」の診断も下されました。治療は手術を行うことになり、「右乳房部分切除術」と、2週間ほど空けて「甲状腺右葉切除術」とを無事に終えました。術後は、再発予防のための放射線治療(25回)や、現在も続けているホルモン療法と定期的な検査を行っています。
最初の通知からある程度の覚悟をしていたとは言え、宣告を受けた時はさすがにショックで頭が真っ白になりました。特に、シングルマザーとして育ててきた高校生の娘を一人にしてしまうかも、という不安が大きくよぎったからです。しかし・・・
宣告から治療、そして現在までを振り返ってみると、「健康管理士」のテキストで繰り返し学んで「知識」を得ていたことが、心の支えになってくれていると感じます。「がん」にまつわる基礎知識や5年生存率などの情報が身についていたことで、主治医や各専門科の医師の説明をほぼ理解することができましたし、自分の病状についての把握もできました。おかげで、大きく取り乱すことなく、必要以上に落ち込んだり不安に駆られることもありませんでした。そして、おそらく私以上に不安だったであろう娘にも、「がんと診断されたけど早期発見だったので治せる」ということを落ち着いて話すことができました。
健康に暮らすために、ご自身のライフスタイルで気を付けていることを教えてください。
健康に暮らすために、ご自身のライフスタイルで気を付けていることを教えてください。
元来、大きな病気をしたことが無かったので、健康管理はほとんどしていませんでした。
暴飲暴食はしないけど、食事内容を特に気にしたこともなく、積極的に運動することもありませんでした。なので、「健康管理士」の学習、特に栄養学の内容は知らないことだらけ。これは改善しなければ、と思った矢先の宣告でしたので、「なんで私が…」というより「なるべくしてなったのかも」という気持ちの方が強かったです。また、乳がんが10年間位かけて育ったと知り、この間を思い起こしてみれば、離婚というストレスや閉経後の肥満など、思い当たる原因もテキストにちゃんと書いてありました。
今は、野菜を多く摂れるように調理法を工夫するなど、栄養を意識する食事を心がけたり、車通勤をやめて駅までの歩きと電車通勤にすることなどを実践しています。また、仕事のお休みの日を少し増やしていただき、心身のストレス解消の時間や娘と過ごす時間を増やすようにしています。
健康管理士として、今後はどのような方向性で活動をしていきたいとお考えですか。
健康管理士として、今後はどのような方向性で活動をしていきたいとお考えですか。
自分が患者になったことで、医院に来られる患者さんの気持ちがよくわかるようになりました。特に、患者さんにとって“わからない”ことが一番不安なのだと思います。医師の話をすべて解説するのは無理かもしれませんが、「健康管理士」としての学びを継続し、患者さんの気持ちにもっと寄り添った対応をできるようにしたいです。そして、私自身の体験を基に「早期発見・早期治療」の大切さを伝えていきたいと思います。
また、得た知識は、自分の体調管理にはもちろん、将来看護師を目指している娘との話題づくりにも活用していこうと思います。