健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
健康管理士の資格に興味を持ったきっかけ、選んだ理由を教えて下さい。
私は、主に埼玉県の教育の現場や教育行政に長年携わり、学校長、教育局指導部長、総合教育センター所長などを歴任しました。平成10年に学習指導要領が改訂され、「生きる力」の育成が提唱されたのですが、その定義には第一に「課題解決能力」、第二が「豊かな人間性」、第三が「健康や体力」とされていて、順序が逆ではないかと首をかしげました。人間が生きていく上で最も大切なことは、まずは生命を維持していく力であり、健康な体づくり抜きに「生きる力」はないと主張してきました。
そこで、教科指導だけではなく、これからは食農教育が必要であると考え、大規模な農業実習ができ、それまでは主に農業高校の生徒が利用していた農業教育センターを、県内の小中高等学校の先生方や生徒に農業体験実習を広める場として活用するようにしました。また、私は農山漁村文化協会が運営する「食と農の応援団」に所属し、全国で講演活動も行ってきました。
そのような中、自分も年を重ね、自然と健康管理に対する意識も高まり、講演や指導の場においても体と心についてもっときちんとした知識を得たいという思いが募っていましたので、新聞で健康管理士を見つけた時とても魅力を感じました。食や栄養だけでなく、病気、ストレス、運動など幅広く学べることでヤル気も増したため頑張って勉強し合格できました。
健康管理士の資格を取得されて、どのように活用していますか? また、どのような手応えがありましたか?
健康管理士の資格を取得されて、どのように活用していますか? また、どのような手応えがありましたか?
現在、校長を務めている中高一貫の学校では、「言葉」に強くなり、コミュニケーション力の高い生徒を育てることをスローガンとしているのですが、これはつまり、これからの社会で問われる「人間力」を養うことです。そのための一環として、私は毎朝の職員朝礼において「1分間スピーチ」を日課としています。日常の気づきから生徒
の育て方まで、話題は多岐にわたりますが、体や心、食など、健康管理に関わることも意識して先生方に話しています。その際には、健康管理士のテキストやほすぴの情報がわかりやすくまとまっているので、とても使いやすく役に立っています。
こうした健康管理の学習の積み重ねは、私が日頃抱いている「体と心のスタミナづくり」の大切さを生徒や先生方に伝える場面において、大きな土台となっています。健康を伝えるには、できるだけ自然と触れ合い、食や農業について体験し、意識する機会を増やすことが重要です。そのため、学校行事として、毎年2500m級の蓼科山登山と農業実習を行ったり、県内の牧場と提携し職場体験学習を行ったりしています。校内にもミニ菜園をつくり、トマトやゴーヤ、ヘチマなどを生徒と一緒に育てています。また、先日は、全校集会において「バナナうんちで元気な子!」の授業を私が自ら行いました。以前、協会主催の講習で学んだ内容を披露したのですが、生徒達は腸の長さに驚いたり、うんちが大切な健康のバロメーターであることなどを感じ取ってくれたようです。
健康に暮らすために、ご自身のライフスタイルで気を付けていることを教えてください。
健康に暮らすために、ご自身のライフスタイルで気を付けていることを教えてください。
まず、毎日の「食事」にはやはり気を付けています。1年半ほど前に妻を亡くしたこともあるのですが、夕飯はほぼ毎日、自分で栄養バランスを考えながら調理して食べています。豚肉、魚、野菜などを中心に、できるだけ素材の味を生かしながら塩や油も控えめにする工夫をしています。また、週に1回はテニススクールに通い、仲間とともに気持ちの良い汗をかくように心掛けています。人間は動物ですので、老化に負けない体づくりのために、今後も“動く”習慣を継続していきます。
健康管理士として、今後はどのような方向性で活動をしていきたいとお考えですか。
健康管理士として、今後はどのような方向性で活動をしていきたいとお考えですか。
我が校では、前述の通り「言葉に強くなる」生徒を育てるために、日本語検定や英語検定を生徒全員に受験させています。今後は、文部科学省後援である「健康管理能力検定」の導入も前向きに検討していきたいと考えています。
人生95年時代、100年時代を見据え、22世紀まで生きる若者たちに、ぜひ自分自身の健康は自分で守る力をつけさせていきたい。そのためにも、健康管理士としての学習や情報収集を継続し、先生方や生徒達と一緒に、元気で明るい学校づくりに邁進したいと思っています。